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確かに小学校からこの学校に入っている。彼との思い出は、小学校に上がる前まで、それ以降のと大学卒業してから出会うまでで合計20年間以上も会っていない期間があったが、本当に別人になっている。彼は、確かにとある議員の息子だ。しかし、子供の頃は母親と一緒に居て、父親の事は”怖いおじさん”程度にしか思っていなかったはずだ。
大学を卒業した彼に会ったのは偶然だった。父親の秘書をしていた。私は、記者になっていた。そして、彼の父親の取材に同行していた彼に遭遇した。
確かに見た目は大人になっている。幼い時の雰囲気もまとっている。
しかし、根本的に違うのだ。
私は、直感で彼が”別人”になってしまったと思った。事実、彼は私の事も、母親の事も、そんな昔の事は忘れたと話した。私には、彼が別人の様に思えてならない。子供の時の癖が一つも出てこないのだ。あの粗野だった彼がここまで洗練した動きができるのか?方言は?子供にだけ解る言葉遊びは?
見れば見るほど、話をすればするほど、疑問しか出てこなかった。
いろいろな噂話を耳にする。
1学年は多くても100名前後で、必ず飛び抜けて一人だけ秀才が現れるという話だ。この噂話も別に不思議な事ではない。どこの学校でも、学校の教育方針にバッチリと適合すれば、秀才は産まれるだろう。この学校でおかしな所は、”毎年必ず一人の秀才”が産まれる事なのだ。
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