第一話 とある記者の疑問

6/9
前へ
/25ページ
次へ
 終電では帰れって事だな。まとめと、私の感想を添えておこう。 ”うぅーん!”  なんとかまとまったかな。  時刻を見ると、22時30分を回った所だ。以前住んでいた、都内なら終電までまだまだ時間があるが、地方都市ではそろそろ動かないと終電にまにに合わない。慌てて、資料を編集長にメールして、メモや取材で使った手書きの資料や切り抜きに関しては、まとめて編集長にわたすことにする。ポスト状になっている物で、編集長が持っている鍵で取り出す仕組みになっている場所に入れておく。  持ちビルではないが、6階建てのビルの上から4階がうちの会社が借りている。  エレベータを待っていると、私が居る5階を通り過ぎて6階に上がっていった。6階は、役員やお偉方がいる階なので、一緒にはなりたくない。なりたくないが、もう下のボタンを押してしまっている。  エレベータが下がってきた。 ”ん?誰も乗っていない?”  開いたエレベータには誰も乗っていない。  おかしいな?6階には、許可された人と一緒じゃないとダメなはずだよな?  6階のボタンは押せなくなっていて、カードキーで認証を通さないとダメなのだ。  まぁ誰かが荷物でも取りに来たのだろう。     
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加