第一話 とある記者の疑問

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 そして、秀才を含めて、卒業生はそれまでの事が嘘のように従順になったり、過去の話を極力嫌って、過去付き合いが有ったであろう人たちから離れていくようだ。人によっては、食べ物の好みが変わってしまう事もあったようだ。アレルギーで食べられなかった物が食べられるようになっていたという話もあった。  調べれば調べるほどに、よくわからない。  100名の生徒のうち、一人の秀才が産まれて、99名が外見以外は別人になっている。  秀才も、卒業年度によって分野が違っている。そして、天才と呼ばれるような人が一人も産まれていないのだ。こんな不自然な状況が、設立以来30年以上続いているようなのだ。  編集長にその話をすると一冊の本が渡された。二十四史の13番目。隋書だ。その中ある「畜蠱」について書かれている部分を読んでおけと言われた。  読んだ後の私の感想は、そんな馬鹿な・・・だった。  学校が実行しているのは、100名の生徒の集合知を一人に集める事なのか?  残された生徒は?99名の生徒はどうなった?  性格が変わった?好みが変わった?別人の様になった?  否定しようと思って考えれば考える程、当てはまってしまう。  集合知だから、天才ではない。集合知だから、肉体的な秀才ではなく知識ベースの秀才になっている。集合知だから、学年によって違っている?  でもどうやって?  理事長や学園長の経歴を調べると、2人とも変わった所は一つだけだ。     
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