一緒に。

2/2
前へ
/2ページ
次へ
A「ねえねえ、東北東、ってどっち?」 B「ちょっと待て。まだコンパスの針がとまらねぇんだ。 ……よーし、こっちだ!ほら、あの一番でかいポプラの方!」 A「オッケー! じゃ、早速始めようか♪ この芝生にシート敷いちゃう? 立ったまま食べるのって抵抗あるのよねー」 B「へぇ……シートまで用意したんだ! 準備いいんだな~。 あ、そっちの端、寄越せよ。敷くの手伝うよ。 ……あれ?随分嬉しそうな顔してるな」 A「へへっ♪ だって前から計画立ててたもん。 一緒に『恵方ドッグ』したいなぁって」 B「このパン屋も巧い商売考えたもんだよな。 女子校と男子校の間に店構えるのも凄いけど、恵方巻にヒントを得て恵方ドッグ、なんて考えて、食べ始めから食べ終わりまで二人で無言で食べ切る事が出来たら、願いが叶うって触れ込みで売り出すとは、さ」 A「………知ってたの!? うちの学校内でしか知らないって思ってたよ!」 B「そりゃまあ、ね。結構男子の間でも噂になってたよ。それなりに興味あったし? だから、誘われた意味も分かってた」 A「うっそ……超恥ずかしい……」 B「ってか………誘われたの、嬉しかったし。 な、冷めないうちに食おうよ」 A「そうだね!」 A&B「いただきまーす!」 【Fin.】
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加