第01章 出会い

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 とある煌びやかな屋敷に二人の男が訪ねてきた。その男の一人は目が細く、陰湿な雰囲気を漂わせてはいたものの、身なりはとても上等なものだ。屋敷の主人はその男らを招き入れ、上から下まで舐めるように見つめる。  目の細い男は膝に置いた手をぐっと握り締め、屋敷の主人を見据えた。 「――――様が望むようなことがこれから起きるでしょう。もしもそうなった場合、あなたの――――。その暁には私を――――」  男の話を聞いた屋敷の主人は、探るようにただ黙って見つめているだけだった。男は女主人の気を引くために、もう一つの話しを持ち出す。 「こんな面白い話もございます。それは――――」  屋敷の主人は男の話に興味を持ち、細かい装飾を施された豪華な長椅子から魅惑的な体を起こす。扇子をパチンと閉じ、初めて笑みを浮かべた。 image=512864086.jpg
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