2502人が本棚に入れています
本棚に追加
午後の試合の方が、ギャラリーは多かった。午前中で負けてしまった女子達が、男子の試合を見に来たからだ。
今までは、どうせ全部間宮くんのファンだと思っていたけど。この中に哀川のことを好きな人も居るんだと思うと、何だか落ち着かない。
「うわ、マジだ、モテてる」
真里花が呟いたから、その指の先を目で追った。そこに居たのは、哀川と、ソフトボール部の女子数名。何やら話し込んでいる。
「おい、哀川、始まるぞ!」
コートの中から、タッキーが呼ぶ。と、哀川は彼女達に何か伝えて。片手を挙げて挨拶すると、コートの中に整列した。
残された女子数名は、頬を染めて、キャッキャと喜んでいる様子だった。
「なんじゃ、ありゃあ」
「……」
「アイツ、あんなにイケメンキャラだったっけか?真里花のデータベースに追加した方が良い?」
「…ハハ、まさか」
結局、決勝はホントに7組と当たって。間宮くんが上手くお膳立てしてくれたお陰で、哀川のハットトリックで優勝した。めちゃくちゃ格好良くて、でもそれが故に、またファンが増えただろうなと思うと、複雑な気持ちになった。
最初のコメントを投稿しよう!