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隣で真里花が息を飲む。私は、胃の中に突如、重たい何かが降ってきたような感覚になった。 …めちゃくちゃ、ショックを受けていた。 「…誰?」 「それは、ちょっと内緒」 「告白しないの…?」 「…絶対フラれるから、しない」 誰なんだろう、哀川の好きな人。いつから居たんだろう。気になる。気になって、仕方ない。 「…とにかく、ごめん」 哀川がキッパリとそう言うと、彼女は教室を出て行った。すると真里花が囁く。 「…気になってんでしょ、哀川の好きな人」 「!」 「あんなイケメンの彼氏が居るクセに、悪い女だねえ?」 揶揄うみたいにそう言うから、食い気味に言い返した。 「そんなんじゃないからっ!」 「バカ、声デカッ…!」 「…!」 真里花に口を押さえられたけど、時既に遅し。戸口から、哀川が顔を出した。 「…何やってんの、」 「…」 真里花と顔を見合わせた後、へへへ、と2人揃ってわざとらしく笑って見せた。哀川が溜め息を吐く。 「盗み聞きかよ、趣味悪ィな」 「たまたまだよ、たまたま!ねっ、真里花?」 「そうそう!哀川のクセに生意気だなって言ってたのよっ!」 すると哀川が隣に座った。
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