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哀川は、しばらく黙って居たけど、やがて口を開いて、
「…そうだな、めちゃくちゃ好き。他の女のことなんて考えらんねーくらい」
と、答えた。また、ズキ、と胸が痛む。
「教えろよお、私達の仲だろ!?」
真里花が背中に向かって茶化すみたいに言ったけど、
「どんな仲だよ、」
と笑いながら、彼は姿を消した。
すると真里花が私に向き直って、呟いた。
「そういうの無理って…咲のことヤリ逃げしたクセにね。反省したってことなのかな、」
私も、そう思っていた。私とした時も、その人のこと好きだったのかな。他の人のことを好きなのに、私にあんなことしたのかな。
考えると、泣きそうになった。悔しいような、悲しいような。自分でもよく分からないけど。
「ま、蛍ちゃんのがイイ男ってことが確認できたじゃん。良かったね!アンタはアンタでラブラブしな!」
背中をポン、と叩かれたけど、私の心は複雑に曇ったままだった。
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