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コーヒーを2つ買って、席に座る。
座ったは良いけど、話題に困った。何を話せば良いのか分からない。最近の女子って何が好きなんだろ。米澤だったら、下ネタでも何でも笑ってくれるから、気兼ねなく話せるんだけどな…
コーヒーを啜りながら考えていたら、五十嵐が切り出した。
「あ、あのさ、」
「うん、」
「何で、今日、誘ってくれたの…?」
痛いところを突かれた。女を忘れたいから、なんて言えない。
「…何となく、」
そう返すと、彼女は「何それ」と笑った。
「期待、するよ?私…」
「へ?」
「私の気持ち、気付いてる…よね?」
上目遣いで訊かれた。
うわ、あざといな、その感じ!
天然でやってるなら天才だよ、マジで。
「まあ、俺もバカじゃ無いから…期待に応えたいとは思ってるよ」
そう答えると、彼女は頬を染めた。
そうだよ。俺だって、五十嵐を好きになれたら良いなって思ってるよ。そしたら多分きっと幸せ。あんな、苦しい想いをしなくて済む。
そこからは他愛ない話をして、映画の時間を迎えた。
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