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「重症だな、お前それ…」
タッキーはさすがに呆れていた。
「だろ?だからもう他の女に走る作戦は諦めた」
「え、じゃあどうすんの?」
「どうもしない」
「は?」
「意識しない。諦めたいと思うから、余計に意識すんだよ。もう、無。ただのクラスメイト、間宮の彼女。オーケー?」
「…そんなこと出来んの?」
「いや、分かんねえけど。それしかもう作戦がない」
間宮と米澤の間を邪魔しなければ、好きでいる分には自由だ。アプローチもしなければ、無理に諦めようともしない。成り行きに任せる。それだけだ。
「あ、それか、米澤にソックリなAV女優を見つけて、しこたま抜くとかは?」
「は?」
「飽きるくらい抜いて、スッキリする」
「お前、バカ過ぎるだろ…!」
大笑いして、なんかちょっとだけ回復した気がした。タッキーは良い奴だ。俺の、自慢の親友。
「そうだ、兄貴の部屋で新しいAV見つけたぞ」
「え、マジ?」
「今日、母さん夜勤、兄貴は彼女の家に泊まりに行ってる」
「マジか!今日泊まるわ!」
持つべきものはバカな親友だと、つくづく思った。
独りで居たら、どうせまた下らないことを考えていたから。
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