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気が付けば、体育館のギャラリーが増えていた。しかも、全員女子で、試合ではなくこちらをチラチラ見ている。 「な、アイツら、間宮鑑賞してねえ?」 「なにそれ、間宮鑑賞?」 「いや、試合そっちのけでお前のこと見てるだろ、」 「まさか、」 そう言って間宮が微笑ったら、ギャー!と悲鳴が上がった。 「…それ見ろ、」 「いや、ナイナイナイ」 だけど、コートの中の和田は大荒れだった。 「だあっ!もう!うるせえ!声出せ!ギャラリーの声で全然聞こえない!」 それを見て、タッキーが笑う。 「なあ、間宮、試しに和田に何か言ってみて、」 「何かって?」 「頑張れ、とか」 「?」 不思議に思いながらも、声を張る間宮。 「頑張れー和田!」 すると和田は、鬼の形相でこちらを睨み付けた。 「うっせー!間宮、どっか行け!」 3人揃って吹き出した。 「怖!怖すぎ!」 「負けたら後で絶対殴られるぞ、」 俺の予想は的中して、後に間宮は和田に本気で殴られていた。
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