17/20
前へ
/216ページ
次へ
球技大会の後、下駄箱で靴を履き替えようとしたら、靴の中に何か入っていた。 「何これ、」 「果たし状?」 「いつの時代だよ」 開けると、可愛い丸文字で一言。 『放課後、2組の教室で待ってます』 「ハイ、本日3人目!」 「いや、果たし状っていう可能性も…」 「無いだろ!丸文字の果たし状は無いだろ!」 何でお前ばっかり、とタッキーがボヤく。 「1日3人ってヤバくね?さすがの間宮王子も無いだろ?」 「いや、俺、最高記録は1日6人」 「え、マジ!?」 「すげ!」 「まだまだだね、レンくん」 「いやだからお前…キャラ改変の方向が間違ってる…」 ハハハ、と3人で笑う。 更衣室に向かって、歩き始めた。 「で、どうすんの?」 「行くしかねえだろ、呼ばれてんのに」 「面倒臭えならすっぽかせばいいのに」 「それはダメだろ。相手が本気だった場合、可哀想過ぎんだろうが」 「出た、お人好しレンくん」 「そういうところが好きなんじゃない?女の子達も。タッキーも見習えば?」 「……そう言うガチのダメ出しはやめよう、マジ、傷付く」 更衣室で着替えてホームルームが終わったら、タッキーと間宮には先に帰ってもらった。部活も無いし、3人で遊ぶ約束をしていたのだ。 俺は自分の席に座って、外を眺めて待っていた。
/216ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2503人が本棚に入れています
本棚に追加