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球技大会の後、下駄箱で靴を履き替えようとしたら、靴の中に何か入っていた。
「何これ、」
「果たし状?」
「いつの時代だよ」
開けると、可愛い丸文字で一言。
『放課後、2組の教室で待ってます』
「ハイ、本日3人目!」
「いや、果たし状っていう可能性も…」
「無いだろ!丸文字の果たし状は無いだろ!」
何でお前ばっかり、とタッキーがボヤく。
「1日3人ってヤバくね?さすがの間宮王子も無いだろ?」
「いや、俺、最高記録は1日6人」
「え、マジ!?」
「すげ!」
「まだまだだね、レンくん」
「いやだからお前…キャラ改変の方向が間違ってる…」
ハハハ、と3人で笑う。
更衣室に向かって、歩き始めた。
「で、どうすんの?」
「行くしかねえだろ、呼ばれてんのに」
「面倒臭えならすっぽかせばいいのに」
「それはダメだろ。相手が本気だった場合、可哀想過ぎんだろうが」
「出た、お人好しレンくん」
「そういうところが好きなんじゃない?女の子達も。タッキーも見習えば?」
「……そう言うガチのダメ出しはやめよう、マジ、傷付く」
更衣室で着替えてホームルームが終わったら、タッキーと間宮には先に帰ってもらった。部活も無いし、3人で遊ぶ約束をしていたのだ。
俺は自分の席に座って、外を眺めて待っていた。
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