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告白を断るって、こんなに辛いんだな。出来るなら、もう経験したくない。
ハア、っと溜め息を吐く。
ーーーそんなんじゃないからっ!
突然聴こえた、大声。すぐに誰だか分かった。慌てて、戸口から覗き込む。
「…何やってんの、」
米澤と和田がドアに張り付いて座っていて。顔を見合わせると、へへへ、とわざとらしく笑って見せた。
また、溜め息が出る。
よりによって、このタイミングじゃなくて良いだろ。ホント、俺ってついてない。
「盗み聞きかよ、趣味悪ィな」
「たまたまだよ、たまたま!ねっ、真里花?」
「そうそう!哀川のクセに告られるなんて、生意気だなって言ってたのよっ!」
米澤の隣に座った。別に和田の隣でも良かったけど、近かったからそうしただけ。好きだから、とか深い意味は無い。だけど肩が触れ合って、無駄に緊張した。和田の隣にしとけば良かった、と少し後悔した。
「あのな、俺だって別にそういうのあるから」
「へえ?じゃあ今年何人目か言ってごらん?」
頭の中で数える。五十嵐と、中島と、今日3人。
手のひらを、広げて見せた。
「えっ、5人?」
「うん、」
「ええっ、5人も?」
「…何か、キャプテンになってからモテてるみたい、俺」
「全員フったの?」
「うん…」
「好きな人が居るから?」
やっぱ、聞かれてたか。居ることすら、コイツらには隠してたのに。
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