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体育。ウォーミングアップでグラウンドをランニングしている時。隣の間宮に、思わず尋ねた。
「お前、マジで別れたのか?」
「うん、」
「何で?昨日まで、普通に仲良かったよな…?」
そうだよ。普通に5人で飯食って、いつもみたいに騒いで。一緒に帰ってたけど、あそこで別れ話したってこと…?
すると間宮は少し悩んで。それから答えた。
「…他に好きな人が出来たんだって、」
「はっ!?」
アイツ、この間宮を差し置いて、他に好きな人が出来たって!?
しかも、去年は多分俺で、今年は間宮で、また別の人?どんな恋愛体質だよ…!
「え、じゃあ、お前はまだ好き、ってこと…?」
「うん、もちろん」
「マジか…」
心中、お察しする。報われない片想いの辛さは、誰よりも分かってるつもりだ。
「良いんだよ。俺から友達に戻ろうって言ったんだ。無理させてるの分かってたし…」
「その好きな人、誰だか訊いたのか?」
「うん、教えてもらったよ。俺は米澤の恋を応援するって決めたから」
「あ、っそ」
状況は分からないけど。とにかく2人は友達に戻って、米澤はフリーで。ここまでは良いんだけどさ、好きな人居るのかよ…誰だ、それ。誰だ…!
半周回った時、間宮が切り出した。
「ところで哀川、」
「なに、」
ーーー好きな人、誰?
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