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放課後。タッキーと部活に行こうとしたら、間宮に声を掛けられた。
「ごめん、タッキー、借りて良い?」
「えっ、何?」
「ちょっと。すぐ終わるから、哀川はここで待ってて」
「お、おう…?」
訳が分からない。先に部活に行ったらダメなのか?
よく分からないけど、とりあえずもう一回、自分の席に座った。
次々に、帰って行くクラスメイト達。あと、6人。3人になって…俺だけになった。
…間宮、何してんの?遅くねえ?
ま、部活サボれるし、いっか。
そんな事を考えながら、スマホのゲームに集中した。上からブロックが降ってきて、重ねるヤツ。これ得意な人は数学が出来る、みたいな迷信があるけど、アレは嘘だ。俺が体現している。
新記録まであと少し、という時。
「あ、あの、」
上から声が降ってきた。
ハイ、また来ました。今度は誰ですかっと。
新記録の邪魔してんじゃねえよ、と不機嫌になりながら顔を上げた。ら、スマホを落としそうになった。
米澤だったから。
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