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「何だよ、やっぱりって…!」
「襲っちゃったから、申し訳なくてゴメンって言ったんだろ?」
「えっ、何で知っ…!」
「和田から聞いた。そのゴメンを、米澤はフラれたと思ったんだよ」
「は?マジで言ってる?」
「うん。フラれたと思ったから泣いて逃げたんだって。今も、フラれた、片想いだって言ってるよ。俺と和田は絶対両想いだって言ってるのに」
何それ、全部、勘違い…?
「好きなんだろ?米澤のこと、今も」
好きだよ、めちゃくちゃ好きだよ。
好きで好きで、ずっと米澤のことを考えている。
他の女の子に告白されても、ちっとも嬉しくない。
五十嵐と長い時間を過ごしたのは、米澤のことを考えないようにする為だ。そうしないといけないくらい、米澤は俺の中で大きな存在になっている。
するとタッキーが、「そうだよ」って答えそうだったから。慌てて口を塞いだ。だって、間宮も、米澤のことをまだ好きなはずだ。
「…お前は?」
「俺?」
「米澤のこと、まだ好きなんじゃねえの?」
尋ねると、思い切り溜め息を吐かれた。
「哀川、お人好し過ぎるよ。だからいつも貧乏クジ引くんだ」
「貧乏クジ…?」
「言ったろ?俺は米澤の恋を応援するって決めたから。哀川も大切な友達だし、2人が両想いなら嬉しいよ」
「お前…」
大切な友達、とか恥ずかしいこと、サラッと言うなよ。喜んじゃうだろうが。
俺だって、お前のこと、とっくに親友認定してるよ。だから余計に言い出せなかったってのに。
「俺…米澤のこと、ずっと好きだった。隠しててごめん」
「…やっと教えてくれた」
得意の、イケメンスマイル。やっぱりコイツは、うちの学校で一番格好良い。
「…告るわ、俺。米澤に」
「そうしてあげて。米澤に、両想いだったよ!って言ってあげたいところだけど…黙っとくよ」
「ごめん、間宮」
「謝るなよ、」
するとタッキーが、良い雰囲気をブチ壊した。
「はい、丸く収まったところで。今日は部活サボって、俺の家でチョコの試食会をしましょう!」
「は?」
「食べきれねえだろ?俺が手伝ってやるよ!」
「お前、昼間は誰が食うか!って言ってたクセに」
「和田に貰えて、テンション振り切ってるね…」
その後は、裏門からコソコソ出て。タッキーの家に3人で泊まった。
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