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「あーっ!終わった、終わった!」
体育館から出て、真里花が伸びをする。
「1年、早かったなー…」
「ホント。楽しかったね!」
「クラス替え、やだなー」
ドライな真里花が、そんなことを言うのも珍しい。ホントに、今年は楽しかった。真里花も、楽しそうだった。
ホームルーム。ケインはまたセンスの良い差し入れを配った。それを食べながら、奥さんとの関係は良好なんだな、と安心した。
「じゃ、写真撮るから並べーっ!」
これはケインのクラスの恒例行事。教卓の周りに集まって、ケインを真ん中にしてみんなで写真を撮る。去年も撮った覚えがある。
で、それが終わったら。
「学級委員は、荷物運ぶの手伝ってくれな!」
ニッ、と歯を見せて微笑うケイン。
出た、去年も頼まれたんだよな、これ。
真里花、哀川、タッキーにお別れを言って、間宮くんと2人で職員室に向かって、荷物を持って歩き始めた。
「あのさ、」
「はい、」
「5人で写真撮りそびれたから、撮らない?」
「あ、良いね、撮りたい!」
「じゃあ、そうしよう。待ってて、って連絡しとくよ」
間宮くんは器用に片手でダンボールを抱えて、スマホでメッセージを送った。
職員室に着いて、荷物を置く。
「俺、トイレ行ってから行くから。先に戻ってて?みんな居ると思うから」
「分かった、先行ってるね!」
教室まで、駆け足で戻る。
上機嫌で飛び込んで、後悔した。
哀川しか、居なかったから。
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