2494人が本棚に入れています
本棚に追加
/216ページ
***
試合前のウォーミングアップが終わって、全員がベンチに戻った時。タッキーが興奮した声を上げた。
「わ、和田!」
「はあ?和田?」
何言ってんだ、コイツ。好き過ぎて幻覚でも見てんのか?
半ばバカにしながら指差す方向を見たら。そこには和田と…愛する彼女が居た。
「よ、米澤!?」
ベンチの外、フェンスの向こうから、恥ずかしそうに手を振る彼女。
か、可愛い過ぎる……
「あ!哀川、彼女来てる!」
「え、キャプテンの彼女?どれ?」
チームメイトがギャーギャー騒いでいる。
集中出来ないから、来るなって言ったのに。
だけど、悪い気はしない。というより嬉しい。かなり嬉しい。めちゃくちゃ嬉しい。
大好きな彼女が、俺の為にわざわざ応援に?ヤバい、ヤバ過ぎる。嬉しい、可愛い、好きっ!
「なあ、タッキーよ。試合までまだ時間あるよな?」
「あるけど…」
「行ってくる、」
「え、ちょ、おい…!」
吸い寄せられるみたいに、彼女に駆け寄った。
最初のコメントを投稿しよう!