【番外】底なし彼女

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*** 試合前のウォーミングアップが終わって、全員がベンチに戻った時。タッキーが興奮した声を上げた。 「わ、和田!」 「はあ?和田?」 何言ってんだ、コイツ。好き過ぎて幻覚でも見てんのか? 半ばバカにしながら指差す方向を見たら。そこには和田と…愛する彼女が居た。 「よ、米澤!?」 ベンチの外、フェンスの向こうから、恥ずかしそうに手を振る彼女。 か、可愛い過ぎる…… 「あ!哀川、彼女来てる!」 「え、キャプテンの彼女?どれ?」 チームメイトがギャーギャー騒いでいる。 集中出来ないから、来るなって言ったのに。 だけど、悪い気はしない。というより嬉しい。かなり嬉しい。めちゃくちゃ嬉しい。 大好きな彼女が、俺の為にわざわざ応援に?ヤバい、ヤバ過ぎる。嬉しい、可愛い、好きっ! 「なあ、タッキーよ。試合までまだ時間あるよな?」 「あるけど…」 「行ってくる、」 「え、ちょ、おい…!」 吸い寄せられるみたいに、彼女に駆け寄った。
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