プロローグ

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ものすごく、天気が良かった。クリーニングしたての指定のカーディガンを、脱ぎたくなるくらいの陽気。 私の心は、どんよりと曇っているというのに。 「おはよう、(さき)!今年もよろしくっ!」 昇降口で大きく手を振っていたのは、1年生の時に同じクラスだった真里花(まりか)だった。 「えっ、今年も同じクラス?」 「そうなの!」 「ホント!?嬉しい!何組?」 「2組!」 彼女に抱きつきながら、硝子戸に貼られた名簿を眺める。 ーーーそして、固まった。 2組の名簿の一番上に、アイツの名前を見つけたからだ。 「ちなみに哀川(あいかわ)も一緒、」 「…いま見つけた…」 「ご愁傷様。今年も楽しくなりそうだね?」 真里花が、ニヤリと微笑う。 私の高校生活終わったな。 そう、本気で思った。
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