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「ま、間宮くんっ!」
思わず大きな声が出てしまって、彼は目を見開いた。
「…なに?」
ビックリした顔も、格好良いな、なんて。スッカリ、若君の虜なのかもしれない。
「私っ、付き合いたい…間宮くんと、」
すると、彼がらしくもなく大声を上げた。
「ほ、ホントに!?」
私を凝視する彼。頷くと、次の瞬間。ヘナヘナと、彼の身体の力が抜けた。足下に、座り込む。
「えっ、大丈夫!?」
慌ててしゃがんで顔を覗き込むと、片手で顔を覆っていて。
「よ、良かったァ~…」
溜め息混じりに、呟く彼。
「最近、哀川とまた仲良くなってたから、絶対ダメだと思った…」
その顔は真っ赤に染まっていて、つられて赤面してしまった。
「俺さ、なんか余裕ぶって待ってるとか言ったけど…マジで不安だった、毎日…」
「本当に?完璧王子の間宮くんが?」
「…全然完璧じゃないよ、俺。今もビックリし過ぎて腰抜けた、」
可愛い、と思った。何でもそつなくこなして大人な間宮くんより、こっちの方が断然親しみやすい。
「多分…米澤さんが思ってるより、米澤さんのこと好きだよ、俺」
相変わらずの赤い顔でそんなことを言うから、また胸がキュンと鳴った。本当に嬉しい、嬉し過ぎる。
「…不束者ですが、宜しくお願いします」
そう言って頭を下げたら、「こちらこそ」と笑われた。
「大切にします、すごく」
その笑顔は、信じられないくらい格好良かった。
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