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ポケットにスマホを戻して、教室に戻る。と、途中で背中を叩かれた。
「何じゃ今のは!」
和田が、俺の顔を覗き込む。
「告白か!貴様ごときが!」
「告られては無いけど、まあそんなもん」
「何言われた!ああん?」
「つーか何、その絡み方」
その隣で、米澤が俺を見詰めていた。
何、その不安そうな顔。俺に他の女の影があったら、そうやって瞳を揺らす。この前の、テスト前の放課後もそう。期待させるなって。お前には間宮が居るんだろ。
「体育祭の時から良いなと思ってくれてたんだって。連絡先訊かれただけ」
「哀川のどこが良いんだろうね、」
「一発殴っていい?女だけど今のは殴って良いヤツだよな?」
「ぎゃ!暴力反対!」
ハーッて息をかけて拳を温めたら、その手を和田にハタかれた。
さっさと、彼女作ろう。変に、心の中を掻き乱されたくない。望みナシなのに、あるって勘違いするのは、もう良い加減 辛いから。
都合良く、モテ期が来てるっぽいし。
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