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ーーーピンポーン
インターホンの音で目が覚めた。
ーーーピンポーンピンポーン
ンだよ…うるせえな…母ちゃんも姉ちゃんも居ねえのかよ…
ーーーピンポンピンポンピンポンピンポン
「だあーもう!うっせえ!」
ガラッと窓を開けたら、2階の窓、俺の部屋から見える玄関先に、よく見る顔が立っていた。
「よう、今お目覚めか?」
「タッキー…何の用?」
「暇つぶしに決まってんだろ、入るぞ」
タッキーは、俺ン家の合鍵の隠し場所さえも知っている。ドタドタと音がして、部屋に入って来た。
「臭ッ!この部屋、なんか臭ッ!換気しろよ!」
「今久しぶりに窓開けた」
「終わってるな、全開にしろ、全開に!」
ガラガラと、2つある窓を全開にされた。
「今日の予定は?」
「あったらこんな時間まで寝てない」
時計を横目で見ながら答えた。時刻は15時を少し回ったところ。
「そうだよな。じゃあ決まり。祭り行こ!」
「はっ、何で?」
「お前、スマホ見てねえだろ。メッセージ回って来てるから。野球部の2年の独り身で行こうって」
「それほぼ全員…」
「黙らっしゃい!」
欠伸をしながら、スマホを開く。と、野球部からの連絡の他に、メッセージが2件。
「あ、俺、五十嵐に誘われたわ」
「は!?」
「あと中島も」
「マジかよ、え、祭り?」
「うん。どうしよ、どっちと行こうかな」
するとタッキーは、口をパクパクさせた。眉間に皺を寄せたり、目をウロウロさせたり。なんて言い返そうか悩んでるその姿が面白過ぎて、思わず吹き出して笑ってしまった。
「嘘だよ、断るから」
「え、何で?」
「2人で行っても楽しくないから」
「あーっそ、」
適当に理由を付けて断って。支度をすると、野球部の奴らを迎えに家を出た。
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