【番外】底なし彼女

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【番外】底なし彼女

「ありえねえ、マジ、ありえねえ」 タッキー始め、3年生の野球部員は全員ご立腹…と言ってもノリだけど、俺を責め立てていた。 「引退が掛かってる試合で、あんなミス多発するかね?」 「ありえねえ、マジ、ありえねえ」 「甲子園に行けるなんて、微塵も思ってねえよ?」 「だけどさ、まさか、初戦敗退って…」 「ありえねえ、マジ、ありえねえ」 タッキーがしつこく同じセリフを繰り返している。まあ、俺自身でも、マジありえねえと思うよ。自分がこんなに腑抜けになるなんて。スポーツ、しかも野球でこんな失態を犯すなんて思わなかった。 「しかも原因が、」 「バカらしすぎる!」 声を揃える部員達。 ああ、確かに、俺もバカらしいと思ってる。でも仕方ない。俺はこうなることを予想して、絶対ダメだって拒否してたんだから。 彼女に、絶対に応援に来るな、って。
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