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担任の慶福家持(よしとみ いえもち)先生の後ろには、どでかい奴がいた。
我が校の制服を着ているが、おっさんだと紹介されればすぐに納得できる容姿だった。
「今日は、珍しい事に転入生がいるんだ。紹介する」
でかいおっさんは、黒板にこれまたおっさん臭い達筆で名前を書いた。
クラスがどよめいた。
「ワタシハ、マシュー・カルブレイス・ペリー、デス。ハイヨロシクデス」
家持先生も、多少とまどいながら
「えー。多分、英語は得意だと思うから聞きに行ってもいいかもな。
はい。じゃぁ、ペリーくんは背が高いから、一番後ろの空いてる席でお願いするよ」
「ノープロブレムね!」
190センチはあるんじゃないか?
異色の、恐らく異国から来たであろう転入生は、どしん!と音をたてて着席した。
ここの転入試験、難しいのに・・・
それとも、本当に1年じゃなくておっさんなんだろうか?・・・・
俺は、大好きな物理の時間を、ほとんど熊親父(心の中で命名。ペリーのことだ)
のことを考えて過ごしてしまった。
ちなみに、俺は金銭の泥棒も許せないが、それ以上に時間泥棒が大嫌いだ。
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