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「えらい、遅うなったの」
どかどかと、西郷並みのでかい男がでかい態度で入ってきた。
(ペリーほどではないが、近い)
「リョーマ!お前、今何時間目やと思うとる!」
「武市さん、まぁ、そう怒りなや。ふと、目ぇが覚めたらこんな時間やったき
まっこと、驚いたぜよ。それより、うちの学校を乗っ取りにきたいうペリーやらいう
転校生はお前か?」
全国から秀才が集まるわが校は、お国訛りが多いが、今日はすごいことになっている。
「オー、リョーマ!」
「おまさんがペリーかい!シェイクハンドじゃ!」
このクラスの中で、ペリーに一番押されてないのは、この坂本リョーマかもしれない。
そう思いながら、俺は文庫本の続きに目を落とした。
「名前を聞かれて、リョーマじゃと言うたら、昔は維新!なんぞと言われておったんじゃが
最近は、
『変身して~!ライダーになって!』
『走れ~!モギ~!』
『絶対ピカソ超えるよ!』とか言われることが多なってなぁ」
「ワタシモ見ました!ライダーのヤツですが、あの時のリョーマは、ライダーでなくて
●●ドライバーがタダシイデスね!ドライビングしてますね!」
「ほいで、おまさんの目的を聞かせてくれんかの?さっき、校門の前で
新撰高校の数名が、たむろしとって、わしゃコソコソ入って来たがじゃ」
「リョーマさん、あなた、ワタシをどういう人間だと思ってマスカ?」
しばらくの間があって、リョーマはゆっくりと答えた。
「パンダじゃな。」
「・・パンダ?why?」
「パンダはのう、遠くから見とったらそりゃ可愛いが、目の奥見てみ。
恐ろしげな目をしちゅう。ありゃ、やはり熊じゃのう」
文庫本を読みながら聞いていた僕は
(熊親父ではなく、パンダ親父か。なるほど)
と、妙な納得をした。
「ところでリョーマ、新撰高校の連中、何をしにきたがじゃ?」
「ほれが分からんから、コソコソ入ってきたんじゃ。武市さん」
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