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日本とアメリカ 関係ないけどJPOP
「なぁ!俺、最近めっちゃ驚いたんだけどさ!」
「なんだよ」
「日本とアメリカ、戦争したことあるんだってよ!」
「うっそマジ?!それ、やばいやつじゃん!」
「だろー?マジの絶対に負けられない戦いだろ?引くわー」
「で、どっちが勝ったの?」
「アメリカぼろ勝ちで、日本ぼろ負けだって。ないわー」
「うわー。ないわー」
電車で静かに文庫本を読んでいる俺の前に立った二人組は、
(その会話がないわ!)というつっこみさえ意味を成さぬほど、
天真爛漫に話していた。
かわいそうに。
このように育ってしまった若者よ。
おそらく、俺と同じくらいの年齢であろう。
制服を着ているから、このようなあわれな若者の受け皿になる高校も存在し得るのだな。
ああ、日本はあの敗戦から血のにじむ様な学びを得て、ここまで平和になったのであるなぁ。
と、開国高校1年、桂太一朗は思った。俺の事だ。
このように、眉目秀麗学業優秀な俺でも、昔は苦労したものだ。
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