黒リムジン4台で高校生も帰れず

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黒リムジン4台で高校生も帰れず

「ほう。みんなぁの噂では、校門の横にはペリーが乗ってきた どえらいでかい黒いリムジンが、4台も並んじゅうっちゅう話じゃ。 ペリー一人なら1台でええろう」 「ほれが、1台目は先導車、ペリーが乗っている車は装甲車で、後ろに護衛がついとるらしい」 「ここは、日本だ。そんなに危険だったかな?」 ごほっごほ、と咳をしながら、高杉晋が言った。 こいつは、今日も訛らない。 あっぱれな自己プロデュース能力だ。 ただ、喘息もちで、身体が弱いところは、小学生時代の俺を思い出して切なくなる。 「ぼくは、帰りにペリーの黒リムジンを見たいんだがね。どうだい?ペリー君?」 高杉は、口をハンカチで押さえながらペリーに近寄った。 リョーマと武市も目を輝かせた。 「よかったら、わしらぁもちょっくら乗せてくれんか?ちいとだけでええき」 リョーマは、拝むような手の形で人懐こい笑顔で笑ったが、 ペリーは一言 「ザンネンですねー。NO!」 と、答えた。二言だ。 「そういえば、黒リムジンはともかく、俺、新選高校やだよ。 なんか、熱量高いだろ?あいつら」 俺も会話に参加した。 「ほいたら桂、おれと一緒に駅まで帰ったらええ」 「そうか。今日はそうするか。リョーマがいたら安心だな」 リョーマは、この開国高校のAO入試枠だ。剣道の。 高校生にして、警察官相手に国体で優勝している。 まぁ、おれは荒っぽいのは苦手だが、威圧感というものは おのずとにじみ出るものだ。
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