第2話

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問い正しながら、晃はソファ傍らのガラスケースへと視線を向ける。 「へえっ~。これ、なかなかいけるじゃん。お前、いつもこんなの飲んでんの?」 差し出されたグラスを手に、晃は深いため息と共に頭を抱えていた。 「お前の気持ち、よく分かるよ‥‥。」 亜紀がゆっくりと味わいながら、グラスをかかげ晃へと呟いている。 「えっ?何がわかるって?」 さっきからもう三杯目を口にしている孝彦に、今さら説明した所でどうにもならない事はよく分かっていた。 このウイスキーが値段もつけられない程、高価なもので、晃の父親の預かりものだなんて‥‥。 「無駄な事だな‥‥。」 完全にあきらめたのか、手にしたグラスの中身をおしげもなく晃は一気に飲み干した。 そう、孝彦はこの事実を何も知らない。 そして、陽気な彼は何も気にしないのだ、そんな事は‥‥。
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