1 心残りのある少女の話

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 見慣れた光景だ。ここに連れてこられた奴らは、大抵こうやって泣いて悔やむ。だから、俺は感情に流されずに、次が詰まってるからと割り切り事務的に待機室へと連れて行く。  だけど、やっぱり今日だけはそんな気にはなれなくて、じっと泣きじゃくる少女を見つめていた。  白い廊下に、今日も泣き声が響き渡った。 (心残りのある少女の話。)
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