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タブレットの電源を入れ少し弄ってから差し出される。誓約書のような文章と、下に名前を書く欄があった。
「バイトと言っても、一応規約があるからサインは必要なんだ。読み終わったら、一番下の所に名前を記入してね」
堅苦しい文章は苦手だ。なかなか内容が入ってこず、眉間に皺を寄せながら読んでた俺を見て、貸し出す備品無くさないで、個人情報を漏らさなきゃ大丈夫だよと要約してくれた。それに無言で頷いてから名前を記入する。
もう本当に戻れないのかと思うと、目の前が滲んだ。あんだけ泣いたってのに、まだ全然出てくるよ畜生。
「カナトくん、か。どうぞよろしくね」
「……うっす」
差し出された手に自分の手を重ね、握手を交わした。握り返す先輩になる骸骨の手は、想像通り冷たかった。
(俺が死んだ時の話)
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