5 大変なことになった話*

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 部屋に入ってワンテンポ遅れたタイミングで、然程強く掴まわえたわけでもない腕が痺れ、体が異常を訴えてきた。呼吸がしにくくなってきて、突然の変化に怖くなり両手で自分の体を抱き締めたら、全身に痺れが走り、立っていられなかった。腰が抜けたように座り込むと、視界がぼやけ始めている事に気付く。 「は…っ、は…ッ!」  高熱を出した時に感覚が似てる。口で荒い呼吸を繰り返してるのに、息苦しさが治まらない。 「なんだ、よ…これぇ…!?」  経験した事の無い異常に混乱して、賢者を見上げると苦笑を浮かべていた。 「知らない?さっきの淫魔だよ。そいつの体液掛けられた」  淫魔って、何?ゲームの敵とかに出てくるエロい事が主食の、あれ?そんなのの体液って、やばい気しかしない。 「淫魔の体液は媚薬効果がある。それを大量に掛けれられたら、そうなるよね」  そう言って向けた視線の先には、既に盛り上がってる俺の下半身。恥ずかしくて隠そうと抑えると、それだけでも刺激になって体が震えた。痛いほどの快感から逃げたくて、背中を反って上を向く。  こんなの知らない、こんな状態どうすれば良いのか分からない。息が苦しくて堪らない。助けを求めるように賢者を見れば、お手上げのジェスチャーをされた。 「治まるまで待つしかない。抜けば少しは楽になるんじゃない?」 「はっ、そん、なぁ…!」 「まあ……仕方ないし、シャワー使って良いよ」 「むり…ッ、」 「そんな事言っても、俺も骸骨相手とか無理」 「ちがッ、ふぁ、とって…!」     
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