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苦しくて堪らなくて、マスクを取れば少しは変わるかもと首に手をかけたが、上手く捲れない。とにかくいち早くマスクを取って欲しい。何時もなら簡単に脱げるのに、こう言う時に限って上手くいかず悶える。首の辺りを必死に引っ掻いていたら、賢者がゆっくりこちらへ近付いてきた。ドン引きな顔をしてそうだけど、今の俺にそれを確認する程の余裕も無い。
冷たい指先が喉元に触れると、それだけでも気持ちよくてヤバイ。変な声が出そうで口を押さえようとしたけど、動くなと怒られた。何かに掴んでないと、堪らなくてきつく自分のズボンを握りしめた。
「よっ、と……?!」
簡単に捲りあげられ、マスクから解放された頭にひんやりとした空気が触れる。
「っふ、んんッ」
水から上がったばかりみたいに口を開いて息を吸い込むけど、求めていた変化は訪れない。くそぉ、そんなに甘くなかった…!
「もう、やだぁ…」
「お前…顔…」
「むり…ッ、はっ、ほんと、たてなぁ…!」
せめて、風呂場までで良いから連れて行って欲しい。腰が抜けて動けない事を伝えようとしてるのに、口からでるのは呂律の回っていない言葉だらけ。おまけに、視線を感じるだけでもゾクゾクしてきて、変な声も止められない。
「んぁ、やだ…ッ!たすけて…」
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