5 大変なことになった話*

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 口元を抑えてた手の指先にキスをしながら、至近距離で見つめられてくらくらする。ねえ、良いでしょ?って言われて、何の了承を得たいのか理解できないまま、気付けば頷いていた。良い子、と嬉しそうに笑うと、賢者の唇が首元へと下がっていく。  いつの間にかネクタイを緩められ、シャツのボタンが外されて、上半身が露わになっていた。優しく滑るように撫でる感覚が気持ち良いんだけど…物足りなくもあって、もどかしい。って言うか、風呂場に連れてってくれるんじゃ無いのか?なんで寝かされて、脱がされてるんだ?よく分からず混乱していると、ひんやりした手のひらが乳首を掠めた。 「ぅあ!?」  あまりの刺激に驚いて声がでる。乳首なんて、なんで男の体に存在してるのか分からないような部分だし、普段は何も感じないはずなのに…どうしてこんなに感じるのか理解できない。驚く俺をニヤニヤとした表情で見下ろしてきた賢者は、そのまま中心を捏ねるように動き始める。途端に感じる甘い痺れが下半身へと集まってきた。 「あぅ、あ…ッ!」 「気持ちいいんだ?」 「ちが…!」  賢者の言葉を認めたくなくて首を振ったけど、正直とても気持ちいい。もっと強く沢山触って欲しい。口に出してないのに、分かってるとばかりに強く力を籠められる。 「あ、あっ、やめぇッ」 「やめていいの?」 「ひっ、あっ、あんっ、だめ、ああああっ!」     
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