7 心配性な猫の話

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7 心配性な猫の話

   見張る為に、犬を使うって言うのはよくある話だ。  人間よりも敏感だし、足だって早い。だけど、その番犬が人懐っこいのはいかがなものか。  撫でてくれたり、遊んでくれそうな人を見つけると全力で尻尾を振って追い掛けてくる。まあ、甘えたで可愛いとは思う。悪い気もしない。それが、一般的なデカさの犬だったら。 「君、動物に好かれるタイプだった?」  白飯を詰め込みながら話しを聞いてたら、向かいに座ってた先輩が質問してきた。好かれるかどうかは知らないけど、よく犬に追いかけまわされたのだけは記憶にある。思い出すだけでも恐怖体験に、顔をしかめると先輩が笑う。 「もう乱入騒ぎが無いように、警備を固くするみたいだから襲われる事は無いと思うけど、あの子はただカナトくんと遊びたかっただけなんだ。悪く思わないでくれると嬉しいな」 「…なんとなくそれは察しましたけど…あんなのに飛び掛かられたら死にます」 「あはは!そうだね、死ぬね。ボクも2回は死にたくはないなぁ~」     
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