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しみじみしながら、から揚げを頬張る先輩に俺も頷く。凄惨な死に方で死んでるんだ、あんな経験もう二度としたく無い。何度も死ぬなんてしてたら、気が狂ってしまいそうだ。そこまで考えて、浮かんだのは賢者の事。
あいつは何度も死んでるけど…死ぬ時は毎回痛いだろうに、なんであんな普通で居られるんだろう。俺があいつの立場だったら、耐えきれないと思う。
「ルカくん、だったよね彼」
「…ルカ?」
「やだ、カナトくん、朝まで一緒だったのに忘れちゃったの?」
「え…あ、賢者の…?」
「そうそう。どう?友達になれた?」
「…どうっすかね」
あいつと一緒に居たら楽だし、楽しい。先輩とはまた違った感じがするし、仲良くはなれたんだと思う。だけど、友達かと言われると、なんだか違う気がする…。それが異世界と日本での違いのせいでなのかは分からないけど…友達ってカテゴリーに入れられないのだけは、はっきりしてた。
「恋しちゃった?」
「は…?」
「恋に悩む乙女みたいな顔してたよ…?」
大丈夫?と覗き込まれ、一気に頬が赤くなっていく。確かに好きだとは言われたけど、あれは別に恋愛感情での好きってわけじゃないし…!やたらと距離が近いけど、スキンシップが人よりアレなだけだし…!俺が賢者の事好きなわけないし?!何てこと言ってくるんだ、この骸骨!
「そんなんじゃない!先輩のばか!!!」
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