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たくさんの観葉植物に囲まれた店内が見え、香澄は遠くからさりげなく様子を伺った。
各テーブルには一人の女性やグループでの女性がついている。
彼女たちは本を読んだり、紅茶を傾けたり、心と身体に優しいとうたわれたワンプレートの惣菜を口に運んだり、タブレットに手を滑らせていたり。
たまにテーブルにつく一人ものの女性の間で目が合うと、ふんわりと笑みを浮かべて軽く会釈し合う。たまには会話に発展したりする。
誰もが満ち足りた様子でいる。
その店に一人の女性が入ってきた。
今まではその店には入れなかった紗英だ。
少し不安げに辺りを見回し、近づいてきたスタッフの顔を見てホッとしたようだった。
その安堵感の中には、どこか誇らしさが垣間見える。
それを見た瞬間、カッと香澄の体が熱くなった。
ぶるぶると手が震えそうになるほどの感情の奔流が喉元をせりあがる。
香澄は慌てて体を折り曲げ、口に拳を押し当てた。
でなければ、叫び出してしまいそうだった。
そのまましばらく堪えるように地面を見つめる。
地面がゆらゆらして見える。
目を瞑って、嵐のような時間を必死でやり過ごす。
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