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フリーのグラフィックデザイナーである陽馬とは真逆のように、スポーツマンのような体躯が、動物としての本能をくすぐらせる。 遺伝子を残す雌は、強い雄を求める。 その直感が、香澄の子宮に訴える。 もう崖っぷちなのだ。 動物的な嗅覚を意識しながら、香澄は言い訳のように呟いた。 「もう失敗できない」 だから、陽馬。 香澄は、リストの一番上にある陽馬の名前をタップして、そのままゴミ箱アイコンに指を滑らせた。
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