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プレで会ったばかりだというのに、儀式で体のつきあいをしたせいか、豪士ははやくも名前を呼び捨てにしている。 その馴れ馴れしさは、同じ年下でも陽馬にはなかったものだ。 「オレ、種馬合格?」 身支度を整える香澄を寝そべりながら眺めていた豪士の言葉に、香澄はぎょっとしたようにベッドを振り返った。 薄暗く灯りの落とされたラブホテルの室内で、豪士がきょとんとしたように香澄を見ている。 「種馬、って」 「え? なんで驚くの? 精子提供者バンクなんてかっけー言い方してっけど、ようは種馬でしょ、オレら」 香澄は「そんなことない」と甘く笑いかけようとして、笑みが凍りついたのが分かった。 陽馬のことを種馬のように考えていた自分を思い出す。 「コンタクトしてくる女って、けっこうガツガツしてコツレ様に絶対なる! みたいなばっかだからさー」 コツレ様に絶対なる、と香澄も思っているからコンタクトしたのだ。 でもそれでいいのか、と誰かがささやいた言葉を無視して。 明るく自分を種馬だと笑う豪士を、香澄はどんな顔で見たらいいのか分からなくなった。     
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