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びくりと震えた香澄の反応に、豪士が首筋に顔を埋めて匂いを嗅ぐようにした。
「いい匂い。香澄がまだ気にするならもう一回プレしてもいいし」
囁きながら豪士が首筋にキスをしようとしたのを、香澄はさりげなく交わすように振り向いた。
「じゃあ柾くんは、第二の儀式から始めても平気?」
「第二……って、オレの精子を採って、えーと、」
「つまり、ペニスを挿入する必要がないの」
「……ま、あ、……それも別にいいけど」
豪士の表情に一瞬だけ不快感がよぎったのを香澄はすぐに見てとった。
「それができないなら、このお試しだけでお別れしましょう」
「ちょ、待て。まずはさ、段階ふもうよ。いきなりはオレもさすがに。第一……っつうかかったりいな、セックスしてからでいいじゃん」
豪士はベッドの端に腰掛けて、ため息をつくようにいった。
「そんな焦ったって、できないもんはできないんだしさ」
投げ出すような言い方に、一瞬にして香澄は青ざめた。
心臓が痛いほどに早い鼓動を打ち始めている。
「……それ、失礼じゃない? それにセックスじゃないの、儀式よ」
「バンク的にはそう言いたんだろうけど、オレにとっちゃセックス、エッチ、性交、ヤる、のと変わんないんだし」
香澄のいらだちが伝わったのか、豪士は少し面倒そうに肩をすくめた。
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