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香澄は陽馬に応えるように、その首に両腕を、その腰に両足を巻き付かせて、子宮の内部を擦り上げるように穿つ力に集中した。 儀式を完遂できなければ、コツレサマからどんどん遠のいてしまう。 一刻も早くコツレサマにならなければ、香澄は香澄の人生から取り残されてしまうような気がした。 そう思った瞬間、陽馬がひときわ強く香澄に腰を深く埋めて、かすかに呻いた。 胎内の奥深くに熱く爆ぜたものを感じて、香澄はぐったりと脱力したように覆いかぶさってきた陽馬の体を受け止めた。 「ごめん、先、イッちゃった」 荒い息の隙間で謝る陽馬に、香澄は頭を振った。 儀式に必要なものは少なくとももらえたのだ。 快楽とは別に、儀式はきちんとつつがなく果たされている。 「受精できてれば全然いいんだから気にしないで」 少し疲れた顔でそう言った瞬間、陽馬が香澄の体から離れた。 「あ、ちょっと!」 ペニスが自然に抜けたと同時に、香澄が顔色を変えた。 「勝手に抜かないでってば! 抜く時はちゃんと言ってって、毎回言ってるじゃない。こぼれたらもったいないでしょ!」 表情を険しくした香澄の剣幕に、陽馬が「ごめん」と慌てて、布団のそばに用意してあったゼラチン質の栓を香澄に渡した。 「排卵予定は明日なの。子宮でたくさん精子が待ってるほど受精の確率があがるんだから!」     
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