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人に良くないものをつけて回ることに意味があるとは思えないんだけどね、と神主さんは首を傾げたが、話を聞いたEくんは息を呑んで立ち尽くした。
『何かありましたらここにご連絡ください』
女性は確かにそう言って、紙を渡してきた。
彼女は足を止めた人に意図的に悪霊をつけて回り、異変があった人達を自分たちの組織に集めている。そうは考えられないだろうか。
「コンピュータでも、ウイルス対策ソフトの会社がウイルスを作ってるなんて話もあるだろ。あんな感じにさ」
神主さんにしてもらったお清めが良かったのか、単純に買ってきた薬が効いたのかはわからないが、Eくんはその後すぐに元気になった。
今でも学校に通うため、Eくんはどうしても問題の駅前を通らなくてはならない。
この一件以来、Eくんは駅前にいる人たちに声をかけられても、決して足を止めないようになったそうだ。
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