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「ふぅーやっと終わったわ。」
全てのタンクトップゴリラ達を倒した俺には何か達成感のようなものが生まれていた。
そう言えば…
放置するのはやめろって会計に言われてたわね。
んー。服は着せたからそんなに寒くないと思うけど、気を失ってるし、保健室に運んでおこうかしら。
「………なに……して………る…?」
後ろから気配がして恐る恐る振り返ると、長身の男がいた。目は前髪で隠れているが、ツーブロックのマッシュヘアで、むしろそれが洒落て見える。
「ワタシぃ、襲われてぇ、そしたらぁ、みんな倒れたのよ。だから運ぼうと思ってたところよん。」
「………ど…こ?」
「保健室よん。」
「…てつ…だ………う。」
「あら、ありがとう。優しいじゃないの。優しい男はモテるわよ。」
それに、その申し出は正直助かる。
一回につき4、5人担いだとしても6往復はしなくてはならない。
「ほん………とう?」
途切れ途切れに聞こえる声も語尾の調子が上がり嬉しそうだ。尻尾の幻影が見えるのは俺だけだろうか。
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