ひよりの言葉、遼太の言葉

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 正門前のもみの木に飾り付けして終業式の日までライトアップするんだけど、学校の周りの遊歩道のイルミネーションと一緒に点灯式をするの。  これがけっこう一大イベントで、ロマンチックで幻想的な雰囲気は、たくさんの恋の舞台にもなるんだよね。  でも、あたしには関係ないもん。 「茉奈ちゃんは若林君と?」  ちょっと寂しいなぁ。 「ひより、そんな顔しないでよー。私達まだそんな感じじゃないから、ひよりも一緒にいようよ」  えー、なんかおジャマな感じじゃないかなぁ。  遼ちゃんはどうするのかな。一緒にイルミネーションみたい……けど、ムリだよね。あたし嫌われちゃったもん。  あのね、と茉奈ちゃんが続ける。 「ごめんね、ひより。ここだけの話なんだけどね。なんかね、若林君が先輩に頼まれちゃったらしいの。どうしてもひよりを連れて来てって」  先輩……。
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