遠く感じる

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 茉奈ちゃんが優しく笑いながら、頭を撫で撫でしてくれたけど。ごめんね、茉奈ちゃん、何も話せなくて、って考えたらまた哀しくなってしまった。  遼ちゃんのホームランを見られたのは嬉しかったけど、会いたかった筈の高校生の遼ちゃんは苦しい記憶を思い出させた。  やっぱりあたしは今の遼ちゃんが大好きなんだって、改めて思ったから、今日はたくさんたくさん〝なかよし〟して欲しかったの。なのに――、 「高橋と何を話したのか、ちゃんと教えて」  なんで? そんな事、関係ないでしょ? ねぇ、遼ちゃん。  胸に触れる手も、アソコに触れる手も、いつもの優しい遼ちゃんの手ではなくて。 「やだ……っ!」  あたし、遼ちゃんの手を払いのけて立ち上がってた。  どうしてわかってくれないの!? そうあたしが叫ぶ前に。 「どうしてわかんないんだよ」
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