楽園 Bali・ルート②

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楽園 Bali・ルート②

「華ちゃんが来るんですよ」 そう聞いたら・・・ 逢いたくてたまらなくなった。 華ちゃん、華子・・・ ちょっと変わった子やった。 「不勉強ですね」 若い講師にでも意見する21歳。 際立った美人やないけど美しい瞳。 ゼミの初めの授業でココロ惹かれた。 かと言うて僕は45歳・担当教授・ しかも妻帯者。 ホンノリした気持ちで卒業やろなあ ・・・が、展開はゼミの飲み会。 酔っぱらって三々五々と解散の途中、 電車の中で二人きりになった。 気がついたらキスしてた。 どんな風に辿り着いたか 2号線沿いのラブホにおった。 (エラいこと、してしもた・・・) と、思たり・・・ (真っ白や・・・真っ白の肌やなあ) 華ちゃん身体から手が離せんかったり。 「カエルさん、拝んでるわ」 観葉植物に紛れた置物を見て 裸の華ちゃんが笑ってたのを、 今も鮮明に思い出せる。 僕はあの頃、 “面白しろない事“続きやった。 家では、嫁が“お受験“で ギャアギャア言うとるし、 大学では派閥争い。 “偉いさん“らに   気ぃ遣わんならんし・・・。 広いジャグジーの中で、 華ちゃんの胸の先の 紅い果実に触れながら 「誰が学長なっても地球は動かんで」 なんて学校の悪口言うてるときは 気持ちが安らいだもんや・・・。 同窓会はターミナルホテル。 会場へ入るなり“見たかった顔“ ・・・すぐに見つけた。 「せんせい・・・」 片手をあげて微笑むのは 僕の秘密の楽園に咲いてた 可憐な愛しい・・・“花“。
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