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そう、急いだ方がいい。
日が経つごとに、あなたの認知は、目に見えない者は存在しないから、もしかしたら、自分にだけ見えないだけで、他の人には見えるのかもなどと、変わってきたしまう。
そうなったら、最後、二度ともどることはできませんよ。
見たくないものを見なくてもいい自由を、わざわざ手放すことは、愚かというものです。
さぁ、早くお行きなさい。
そして今から心がけるべきですよ。
決して振り返らないように、何かの気配を感じても、振り返ってはいけません。
たとえ、肩を叩かれようが、いきなり振り返るなど、絶対にしてはいけませんよ。
わかりますか?
私がなぜ、ここまで忠告をするのか。
もしもあなたが”それ”を見てしまったら、恐らく気がおかしくなってしまうからですよ。
だって、そうでしょう。
病院で亡くなって、未練を残した人の形相というのは、それはそれは哀れなものです。
それを愚弄したあなたに、どのような恐ろしい視線で見ているのか。
私は大人ですから、そんな怖いこと、私にはとても言えませんよ。
なんでも正直に言えばいいということでもないでしょう。
大人になるということは、人を傷つけない嘘をつけるようになるということなんですよ。
嘘を悪と思っている方もいらっしゃるようですが、それこそ、嘘というものですよ。
人の嘘を知ることこそ、真理に近づくことができる。
私はそう思って疑わない人なんです。
まぁ、これも嘘かもしれませんがね。
まぁ、くれぐれも、背中には気を付けて。
大丈夫ですよ。
あなたが私に背を向けた瞬間に、大声を出したりはしませんから。
私を信じて下さい。
私の言うことを、信じて……
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