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姉ちゃん店員はスマホの説明をしてくれる。俺は、ずっと資料に目を通す。名前はなんて言うんだろ? ネームプレートがセミロングのヘアで見えないな。改めて聞くのも、なんか恥ずかしい。
取り敢えず、スマホの通信料はガラケーより高くなる。
「SNS等のデータ引き続きは大丈夫ですか?」
「あっ! 忘れるところだった」
姉ちゃん店員のナイスフォローに俺は感謝し、SNSのパスワードを再設定する。
俺は機種を決め、契約を結び、いよいよガラケーのデータをスマホに移行だ。その前にショップの固定電話でスマホにかけ、通話出来るか確認をする。
そして、データ移行だ。俺は未送信メールを大切にしている。小説本文のバックアップとして、ガラケーの未送信メールに書き溜めていた。正直、電話帳より大切だ。何しろ、5000文字×34個×6ページの膨大な量だからだ。最悪、microSDに保存して…………しかし、microSDの互換性がなかった。ネットで見たよ? 容量の少ないmicroSDは互換性があるって! ネットのフェイク情報に騙されてしまった。
「それでは、お客様。もう、スマホはお使いになれますよ」
『俺と付き合ってください!…………はっ!』
姉ちゃんの左手薬指にキラリと光る物が…………。終わった~。結婚してたのね。
「お幸せに」
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