セフレとわたし

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「タクヤさん……っ、すき、です……」 汗ばむ身体、無我夢中で彼の背中にしがみつく。 ここはホテルだから声が漏れるのを気にしなくていい。 でも、わたしはずっと自宅デートというものに憧れていた。 彼には奥さんがいる、子供がいる。 だからいつもホテルだった。 どんなに愛しても彼がわたしのところに来ることはない。 「あゆ、俺も……すきだよ……」 こうして身体を重ねる時に聞けるこの言葉がわたしの心を満たしていた。 どうしようもなく恋焦がれていたあの頃。 無我夢中で彼を愛した。 身体を重ねることが愛の表現の仕方だと信じていたあの頃。 あの頃の自分とはさよなら。 「タクヤさん、わたしもう無理です」 さよなら、不倫をしてボロボロになったわたし。 さよなら、必死に恋をしていたわたし──。
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