セフレとわたし

5/9
前へ
/192ページ
次へ
この時間にわたしはもう寝落ちてたのか……本当に締まりのない生活。 カオルの名字は知らない。いや、前聞いたかもしれないけど忘れた。 カオルとはサイトで知り合った。 ボロボロに傷ついてどうしようもない時、やけくそで登録したサイトで最初に出会った人。 初めて会ったときから下心が見え隠れする男だった。でも、それが逆に楽だった。 下心がある人に対して、嫌われる心配がなかったからだ。 だって、彼が興味あるのはわたし自身じゃないもの。 それでも女の子扱いしてもらえるのは嬉しい。恋愛をするのはめんどくさい。 この恋はいつまで続くんだろう、と不安を抱えながら毎日過ごすのはバカらしい。 『いいよー。また来るとき教えて』と返信。 ──あゆ、愛してるよ。 ふとした時に、アノ人の声を思い出す。 両手で頬をパンパンと叩いて気を紛らわす。 もう終わった、終わらせた。 全てリセットして、わたしは新しい生活を手に入れる──。
/192ページ

最初のコメントを投稿しよう!

122人が本棚に入れています
本棚に追加