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この時間にわたしはもう寝落ちてたのか……本当に締まりのない生活。
カオルの名字は知らない。いや、前聞いたかもしれないけど忘れた。
カオルとはサイトで知り合った。
ボロボロに傷ついてどうしようもない時、やけくそで登録したサイトで最初に出会った人。
初めて会ったときから下心が見え隠れする男だった。でも、それが逆に楽だった。
下心がある人に対して、嫌われる心配がなかったからだ。
だって、彼が興味あるのはわたし自身じゃないもの。
それでも女の子扱いしてもらえるのは嬉しい。恋愛をするのはめんどくさい。
この恋はいつまで続くんだろう、と不安を抱えながら毎日過ごすのはバカらしい。
『いいよー。また来るとき教えて』と返信。
──あゆ、愛してるよ。
ふとした時に、アノ人の声を思い出す。
両手で頬をパンパンと叩いて気を紛らわす。
もう終わった、終わらせた。
全てリセットして、わたしは新しい生活を手に入れる──。
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