セフレとわたし

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「その元カレ毎回ホテル代ちゃんと出してくれてたんだろ?そんなに悲観するようなことじゃないと思うけどさ」 アノ人は自分の都合で毎回ホテルだった。 家が結構近くて、人に見られたくないからっていつも少し離れたホテルに行っていた。 わたしの存在を隠すために。 「そうかもね」 適当に話を合わせる。 深く入り込まれたらめんどくさい。 ピザを全て食べ終え、テレビに視線をやると"芸能人の恋愛事情"について、有名なタレントやモデルたちが恋愛について語っている。 「シャワー借りていい?」 カオルが背伸びしながら立ち上がる。 「いいよ」 頭をかきながらお風呂場に行くカオルの背中。 シャワーを浴びに行くということは“そういうこと“だ。 さて、今のうちに片付けないとね。 ピザの箱をゴミ袋に入れ、ビールの缶を流し台に持っていき、中をゆすぐ。 テレビの芸能人の会話が耳に入る。 『昔、奥さんいる人を好きになっちゃって。奥さんと別れるって言ってたのに全然別れてくれなくて』
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